収納

洗面所収納のプロが教える物の捨て方・選び方・しまい方のルール

毎日の暮らしの中で、洗面所は家族全員が頻繁に使用する場所でありながら、最も生活感が出やすく散らかりやすい空間の一つではないでしょうか。タオルや洗剤のストック、細々としたスキンケア用品など、限られたスペースに対して収納したい物の量が多く、「どうしても片付かない」「使い勝手が悪い」と頭を悩ませている方も少なくありません。

私たち岡山県住宅設備協同組合では、日頃から数多くの水まわりリフォームに携わらせていただいておりますが、多くのお客様が収納スペースや動線に関するお悩みをお持ちです。そこで本記事では、住まいづくりの経験に基づいたプロの視点から、洗面所空間をすっきりと快適に保つための「物の捨て方・選び方・しまい方」の基本ルールについて解説いたします。

まずは今すぐ始められる整理整頓の基準や収納アイテムの活用法から、家族全員が使いやすい動線の考え方、そして根本的な解決策のヒントまで、皆様の暮らしに役立つ情報をまとめました。毎朝の身支度がスムーズになり、一日の疲れを癒やす時間がより心地よいものになるよう、ぜひこれからの洗面所づくりの参考にしていただければ幸いです。

1. 散らかりがちな洗面所をすっきりさせる、物の「捨て方」と整理の基準

洗面所は家の中でも特に狭いスペースでありながら、洗顔、歯磨き、洗濯、脱衣、メイクと多様な用途で使われるため、どうしても物が溢れかえりやすい場所です。収納テクニックを駆使して「しまう」ことを考える前に、まずは不要な物を取り除く「整理」の作業が不可欠です。適切な量まで物を減らさなければ、どんなに便利な収納グッズを使ってもすぐにリバウンドしてしまいます。プロが実践している具体的な捨て方の基準と、快適な空間を維持するための整理ルールをご紹介します。

まず着手すべきは、洗面台の収納棚や引き出しに入っている物を一度すべて取り出す「全出し」です。すべての物を目の前に並べることで、自分がどれだけの量を所有しているかを客観的に把握できます。その上で、以下の基準に従って処分する物を選別していきましょう。

最も優先的に手放すべきなのは、「使用期限が過ぎている物」や「長期間使っていない物」です。特に化粧品やスキンケア用品には注意が必要です。未開封であれば3年ほど持ちますが、一度開封したものは酸化や雑菌の繁殖が進むため、半年から1年を目安に使い切るのが理想的です。いつ開封したか思い出せないクリームや、色が変色している化粧水は、肌トラブルの原因にもなりかねないため、迷わず処分しましょう。

次に溜まりがちなのが、ホテルから持ち帰ったアメニティや化粧品の試供品です。「旅行の時に使うかも」と保管しがちですが、実際には旅行先にも新しいアメニティが用意されていることが多く、古い試供品は出番を失ったまま劣化していきます。試供品は「今晩使う」か「捨てる」かの二択で判断してください。すぐに使う予定がないのであれば、即座に手放すことで収納スペースに余白が生まれます。

また、ゴワゴワになったタオルや、毛先が開いた歯ブラシも交換のタイミングです。タオルは「年末に総入れ替えする」「色が褪せたら雑巾にする」といった明確なルールを設けることで、常に清潔でふかふかな状態を保てます。用途が重複している洗剤や、使い心地が悪くて手が伸びなくなった整髪料も、この機会に見直してください。

物を減らした後は、残す物の「適正量」を決めます。シャンプーや洗剤のストックは、特売日に買いだめをするのではなく「今使っている1本+ストック1本」までと決めましょう。収納スペースという物理的な枠に合わせて持ち数を制限することが、散らからない洗面所を作る鉄則です。この「捨て方」と「整理の基準」を徹底するだけで、毎日の身支度が驚くほどスムーズになり、掃除のしやすい清潔な空間を手に入れることができます。

2. スペースを無駄なく使うために知っておきたい、収納アイテムの選び方

洗面所の限られた空間を最大限に活用するためには、収納アイテムの選び方が決定的な差を生みます。片付けを始めようと思い立ったとき、サイズを測らずに100円ショップやホームセンターへ駆け込み、感覚だけでカゴやケースを購入していませんか?実はこれこそが、収納がうまくいかない最大の原因です。シンク下の配管や扉の蝶番など、障害物の位置まで正確に計測し、ミリ単位で収まるサイズを確認してから購入することが失敗を防ぐ第一歩です。

スペースを無駄なく使うための鉄則は、「真四角(スクエア型)」のアイテムを選ぶことです。デザイン性を重視したカゴの中には、底に向かってすぼまっている台形のような形状のものが多くあります。これらは並べたときにアイテム同士の間に無駄な隙間ができ、収納力が低下してしまいます。側面が垂直で、角が直角に近いボックスを選ぶことで、デッドスペースを徹底的に排除できます。

具体的なおすすめアイテムとして、「ポリプロピレンファイルボックス」や「メイクボックス」が挙げられます。これらはモジュール(基準寸法)が統一されているため、サイズ違いを組み合わせてもぴったりと収まり、見た目も整然とします。また、洗濯機横などのわずかな隙間には、スリムな収納用品を活用すると、驚くほどの収納量を確保できます。

素材選びも重要です。洗面所は湿気が多く、水ハネや洗剤汚れが発生しやすい場所です。布製や天然素材のバスケットはカビや汚れの原因になりやすいため、汚れてもすぐに拭き取れるプラスチック製やステンレス製を選びましょう。色は「ホワイト」や「半透明」で統一すると、視覚的なノイズが減り、狭い洗面所でも広く清潔に見せる効果があります。

収納アイテムは、一度買ったら長く使うものです。流行り廃りのあるデザインではなく、後から買い足しができる定番シリーズを選ぶことが、将来的なライフスタイルの変化にも対応できる賢い選び方と言えるでしょう。

3. 使う頻度と取り出しやすさが鍵となる、効率的な物の「しまい方」

洗面所は、朝の身支度や帰宅後の手洗い、夜の入浴など、家族全員が毎日何度も利用する場所です。限られたスペースに多くのアイテムが混在するため、ただ隙間に詰め込むだけではすぐに散らかってしまいます。使いやすく、美しい洗面所をキープするための最大の秘訣は、物の「使用頻度」に合わせて収納場所を決めることです。

まずは、洗面所にあるアイテムを「毎日使うもの(一軍)」「週に数回使うもの(二軍)」「ストックや季節もの(三軍)」の3つに分類しましょう。このランク付けが、快適な動線を作る土台となります。

最も重要な一軍アイテムは、立ったまま無理なく手が届く「ゴールデンゾーン」に配置します。一般的に、腰の高さから目線の高さまでがゴールデンゾーンと呼ばれています。例えば、歯ブラシ、洗顔料、化粧水、ドライヤーなどは、鏡裏の収納棚の中段や、洗面台のオープン棚など、ワンアクションで手に取れる場所に定位置を作りましょう。この時、扉を開ける、蓋を外すといった動作を極力減らすことが時短につながります。山崎実業のマグネット収納シリーズなどを活用して、壁面に浮かせて収納するのも、掃除が楽になり取り出しやすいためおすすめです。

次に、二軍アイテムや細々とした小物は、引き出しや鏡裏の上下段に収納します。ここでは「仕切り」を活用して、物が混ざらないようにすることがポイントです。サイズ展開が豊富なシリーズ商品を選ぶと、洗面所の奥行きに合わせやすく、空間を無駄なく使い切ることができます。半透明や白色のケースを選ぶことで、見た目もすっきりとし、清潔感のある空間を演出できます。

最後に、三軍であるストック類や掃除道具は、洗面台下の収納スペースや、高い位置の棚へ移動させます。ここは毎日開ける場所ではないため、多少取り出しにくくても問題ありません。ファイルボックスを使って種類ごとにざっくりと投げ込み収納にすると、在庫管理がしやすくなり、買いすぎや買い忘れを防ぐことができます。取っ手付きのケースを使えば、低い位置や高い位置にあっても引き出しやすくなります。

このように、使用頻度に基づいた定位置管理を徹底することで、探し物をする時間がなくなり、家族の誰もが使いやすく片付けやすい洗面所が完成します。

4. 家族全員が使いやすい環境を目指す、動線を意識した配置の工夫

洗面所は朝の身支度や夜の入浴時など、家族全員が毎日何度も利用する場所です。さらに洗濯や掃除といった家事の拠点でもあるため、狭い空間の中で人と物が頻繁に行き交います。ここで重要になるのが「動線」を意識した収納配置です。どれだけ綺麗に収納しても、使う場所から遠かったり、出し入れが面倒だったりすると、結局物は出しっぱなしになり、散らかる原因となってしまいます。家族みんながストレスなく使い、自然と元の場所に戻せる環境を作るための配置ルールを紹介します。

まず基本となるのが「使う場所のすぐ近くに定位置を作る」ことです。例えば、お風呂上がりに使うバスタオルやパジャマは浴室のドアから一歩も動かずに取れる場所に配置します。また、洗濯機に入れる洗剤類は、手を伸ばせば届く棚やラックへ。当たり前のようですが、実際の動作(アクション)をシミュレーションして、歩数ゼロで完結できる配置を徹底すると、家事効率は格段に上がります。

次に意識すべきは「高さ」のゴールデンゾーンです。収納において、腰から目線の高さまでの範囲は、最も出し入れがしやすい「ゴールデンゾーン」と呼ばれます。ここには、毎日使う一軍アイテム(歯ブラシ、化粧水、ヘアブラシなど)を集中させましょう。一方で、屈まないと取れない低い位置や、踏み台が必要な高い位置には、ストック品や使用頻度の低い季節用品を配置します。

また、小さなお子さんがいる家庭では、子供の目線に合わせた配置が必須です。子供が自分で手に取れる低い位置に、専用のタオルや身支度グッズ置き場を作ってあげましょう。「自分のことは自分でする」という習慣づけにもつながりますし、大人が毎回取ってあげる手間も省けます。この時、フタのないボックスやカゴを使った「投げ込み収納」を採用すると、子供や片付けが苦手な家族でもハードルが下がり、散らかりにくくなります。

さらに、収納用品の中身を「人別」にするか「用途別」にするかの見極めもポイントです。
歯ブラシやコンタクトレンズ用品など、個人しか使わないものは、人ごとにトレーやボックスを分けて「人別」に管理します。こうすることで、自分の物がどこにあるか明確になり、他の家族の物を乱すことがなくなります。反対に、ドライヤー、綿棒、爪切りなど家族で共有するものは、誰にとっても分かりやすい「用途別」の場所に配置し、ラベリングをして定位置を明確にします。

最後に、アクション数を減らす工夫も取り入れましょう。扉を開けて、引き出しを開けて、フタを開けて…という動作は、忙しい朝には大きなストレスです。毎日使うものは「扉裏に吊るす」「オープン棚に置く」など、ワンアクションで手に取れる工夫を凝らすだけで、洗面所の使い勝手は劇的に向上します。家族の行動パターンを観察し、無理なく片付けられる動線を設計することが、美しい洗面所をキープする近道です。

5. 収納不足を根本から解決するために検討したい、リフォームという選択肢

不要な物を捨て、収納グッズを駆使しても、どうしても物が溢れて片付かない。それはあなたの整理整頓能力の問題ではなく、洗面所自体の収納キャパシティが限界を迎えている可能性があります。物理的なスペースが不足している場合、どれだけ工夫してもリバウンドを繰り返してしまうものです。そのような状況を根本から解決するための選択肢として、洗面所のリフォームを検討してみる価値は大いにあります。

最新の洗面化粧台は、ひと昔前のものと比較して驚くほど収納効率が向上しています。例えば、以前主流だった観音開きタイプの扉を、スライド式の引き出しタイプに変更するだけでも収納量は格段に増えます。引き出しタイプであれば、奥にしまった物も一目で確認でき、取り出しやすくなるため、死蔵品が出るのを防ぐこともできます。

排水管の配置や形状を工夫することで収納スペースを広く確保した製品や、奥行きを有効活用できる製品を選ぶことで、限られたスペースでも最大限の収納力を発揮します。また、壁から壁までぴったりサイズを合わせられるプランがあり、隙間を無駄なく活用できます。

洗面化粧台本体の交換だけでなく、空間全体を見直すことも重要です。洗濯機の上部にランドリーラックを置くだけではなく、造作棚や吊り戸棚を壁にしっかりと固定するリフォームを行えば、重い洗剤のストックも安心して収納できます。さらに、壁の厚みを利用した「埋め込み収納(ニッチ収納)」を新設すれば、歯ブラシや化粧品などの小物を置くスペースが生まれ、洗面ボウル周りがすっきりと片付きます。

大規模な工事を行わなくても、鏡の裏が収納になっている三面鏡への交換や、デッドスペースへの可動棚の設置など、部分的なリフォームで解決できるケースも多々あります。毎日家族全員が使う場所だからこそ、ストレスなく快適に使える環境への投資は、日々の家事効率や生活の質を大きく向上させる賢い選択と言えるでしょう。専門のリフォーム業者に相談し、現在のライフスタイルに合った収納プランを提案してもらうことが、理想の洗面所への近道です。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事
  1. 年齢を重ねても自分で料理を楽しむための究極のキッチン設計ガイド

  2. リフォーム業者が言わない真実!住みながら工事のメリットとデメリット

  3. ミニマリストに学ぶ!シンプルで機能的なシンク周りDIY